作品について インタビュー
一部作品をご紹介いたします。(インタビューシートも店頭にてご用意しています。)
作品は通販可能です▶︎24日から順次
今回はイエティハウスというタイトル通り、
テントのようなユルタのような、遊牧民やキャンパーが暮らしそうな家をメインに
果物やイエティベビーなど描いていただきました。
学生時代に日本画を学ばれてそのままその岩絵具の魅力にハマって現在に至るという松尾さん。
珍しい技法で私も初耳だったのでいろいろお聞きしました。
聞いていて、私も幼い頃に「サラサラ砂絵」というノリをつけてその上に色のついた砂を乗せ
余分な砂を払いながら塗り絵をするようにたのしむ(玩具?)画材をなんどか買ってもらって
遊んでいたのを思い出しました。
(母が皿を2枚持ってきて、この上で「うえっ」と言っていたのが忘れられず、
そのためおもちゃの名前もしっかり覚えていたのです。。アホな親でしょう。。)
これはちゃんと使用している鉱物の表記も(一部は記載なし)ありますので
誕生石にあわせて選んでみるのも良さそうですね。
簡単ではありますがインタビューをどうぞ
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◉この技法について
基本は日本画の技法です。
糊にあたる膠だと衝撃に弱いため、壁画の技法も併用して強度を上げています。
使っているのはカゼインと呼ばれるミルクからできるもので
(よく食品のパウダーのミルク粉末などに使われています)
これもしっかり画材として成立しています。
岩絵具に初めて触れてから、もう20年以上。難しいというより楽しみでしかありません。
まるで泥遊び砂遊びのような意識で描いていますが
表現したいもの、描きたいのものがどんどん出てくるので精査することが一番難しいです。
自分なりの編集作業が一番時間がかかります。
◉どんなことを表現したいですか?
日常の中に転がっているものを丁寧に拾って、自分なりに咀嚼して出していきたいです。
私にとって絵を描くことは「何が一番好きなものだろう?」と
手を動かしながら感じ考え探すことです。
今回は何かが生まれ、育まれていく瞬間を描きたかった。
イエティたちの家々で、小さな何かが育まれていることを想像し合うこと、
それを表現したくて「イエティ」という架空の存在に投影しました。
◉日々アンテナを張っていること
目が喜ぶもの探しです。
出会った後、なぜ目が喜んだのか、自分なりに検証するのが好きです。
時々立ち止まって視覚以外にも、耳や鼻や口や皮膚も澄ます時間を持ちたいですね。
◉額もこだわりがあるようですが、インスピレーションはどこから?
日本画は光がとても重要になってきます。
岩絵具そのものが粒々とした立体なので、
重ねてまた立体ができ、光と影が生まれています。
古くから掛けられてきた床の間の掛け軸も、
朝の光、昼の光、黄昏の光、夜の光、、と時間と光に応じて見え方を変えてきたはずです。
アクリルフレームもその組み合わせ方、光の通し方でちがう表情を見せくれます。
その光が、絵に反映したらどう見えるのだろう?!という興味と好奇心から生まれました。
東北の光、ボワットさんの空間ではどう見えるのだろう、と楽しみにしています。
また、絵だけだと日常生活の中でどう使えば良いのかわからなくなってしまうことがります。
壁に掛けることが多いのかと思いますが、日本の賃貸住宅で穴を開けにくかったり。。
そばに置いていただくには、生活の実情に合わないこともしばしば。
そこでアクリルフレームで包むことで、オブジェのような要素を持たせました。
オブジェであれば、本棚の空いているスペース、窓辺、ベッドサイドなどなど
部屋の中での居場所が個々に生まれやすいように思いました。
◉今後チャレンジしていきたいこと
「一番好きなもの」を更新し続けて絵で記録していくこと。
いつも日常の中で転がっているもので、目が喜んだものを集めていますが
次の作品は、モチーフから自作しながら試しています。
作ると言っても切ったり、貼ったり、結んだり、気楽で簡単な作業でできるものです。
なぜ、目が喜んだのか、それが気になっていたのか、
考えていくとゆっくり「理由」が立ち上がってきます。